2つの当て金
2011年 04月 26日
シンドイったらありゃしない。
37度~38.3度辺りを行ったり来たり。
一番シンドイ辺りじゃないですか。
強制的に汗をかかせて封じ込めました!
で、そのシンドイ最中にやった仕事です。
2種類の当て金修理。
一本目はトロンボーン。
最近よくあるロータリーからレシーバーまでグニャっと曲げてしまったためロータリー・ケーシングの植え込みが激しく凹んだりゆがんだりしてしまうのですが、コイツはさらに管が割れてしまったっていうヤツです。
こうなったらロータリー・ケーシングを交換してしまったほうが手っ取り早いような気がしますが、輸入楽器はパーツも中々入ってくるまで時間がかかったり、必要以上に高額だったりします。
個人の楽器であればその方が見た目もきれいなのでそちらをお勧めしますが、そこはお金と時間に余裕が無い学校備品。
これだけ根元付近で細い部分まで長い割れが走っていてはムリかも!?とは一瞬思いましたが「いやいやそんなことで貴重な1本、しかもバ〇クという有名ブランドの楽器をお釈迦にして良いのか?」と天使なのか悪魔なのかわからないささやきが聞こえてきました。
しばらく悩んだ末、「使える楽器に戻すことが最重要!」と自分勝手に悩みに踏ん切りをつけ、当て金修理をすることにしました。
ただ当てるほうの真鍮板の形状をきれいに巻ける形にしないと見た目があまりにも酷いのもどうかと思いましたので、そちらに少々の時間を・・・。
これが割れてる本体部です。赤い丸印の中がそうです。
そして当て金を半田装着後。
なんかキカイダー(古っ!)みたいですが・・・。
息漏れは完璧に無し!!
もちろん曲がってしまってたレシーバー部も真っ直ぐにしてありますよ。
次同じことになってしまったら容赦なく交換しますっ!
お覚悟を(笑)。
シンドイついでにもう一本!!
何でも来やがれってんだいっ!!
てことでユーフォニアムです。
これも古い楽器によくありがちです。ヤ〇ハ製ピストン4本並列型の楽器ですがハンドル部に穴が・・・。
しかもこれから先どれだけあくの?っていうくらいの穴予備軍が多数控えていらっしゃいます。
正直持った感覚も手の中がボコボコなのでとても楽器を持っているという気分には・・・・。
で、これも「とりあえず開いてるところだけ塞いで後をそのままにしておいていいのか?・・・・」と声が聞こえたので(笑)決意しました。
楽器古い分、せめてグリップぐらい気持ちよく持てる楽器にしてあげよう!
ということで、またまた真鍮板から製作しました。
今度は以外と手間がかかる作業です。
真っ直ぐにパイプを作るのはさほど難しいことではありませんがゆるやかなアール半円の半パイプ状のものを作るのは結構難しいのです。
金属を焼きなまし、叩いて形状を少しずつ変化させるという作業を何度も繰り返し、酸で洗浄。
最後にバフで磨きを入れてこんな感じで出来上がります。
ジャスト・サイズ!ジャスト・マッチング!なので後はデコボコ本体部の表面処理をして半田付けすれば出来上がりです。
ああっっ・・・。
汗が、汗が!バーナーの熱やいろんなヒヤッとした瞬間の嫌な汗が・・・・
私の体温を下げてくれるっ!
というわけで、この2本が出来上がった時点ですっかり平熱!!
(一部フィクションでお届けしました)